- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
4月14日21時26分,熊本県熊本地方を震源とする平成28年熊本地震(前震:マグニチュード6.5)が発生しました。東京でも少し揺れを感じましたが,直後に熊本県益城町で震度7を観測したとのテレビ報道がありました。さらにその28時間後の4月16日1時25分には,同じく熊本県熊本地方を震源とする本震が発生し,再度,震度7を観測しました(マグニチュード7.3)。夜景に浮かび上がる熊本城から埃が舞い上がる映像から熊本城も甚大な被害があったことが予測されましたが,その詳細を目の当たりにしたのは翌朝の報道からでした。熊本市のシンボルである熊本城は1601年に加藤清正が大改修し天守閣を完成させたとされ,明治時代の西南戦争で薩軍に対して弱小の鎮台軍が城を守り抜くことができたことから,その堅固さが証明されました。このように最強の城の1つである熊本城にも大きな被害を与えた今回のマグニチュード7.3は1995年に発生した阪神・淡路大震災と同規模の大地震です。ちなみに2011年の東日本大震災はマグニチュード9.0という日本で観測史上最大の地震でしたが,震源は仙台市の東方沖70kmの太平洋の海底であり,地震の大きさは平成28年熊本大地震と同じ震度7でした。今回の大地震の特徴は余震の多さで,震度5以上の余震も18回以上観測されています。熊本大学病院をはじめ熊本県の多くの病院も甚大な被害があったようです。被災された皆さまに改めまして心よりお見舞い申し上げます。また,お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに,そのご遺族の方々に謹んでお悔やみ申し上げます。いまはただ,被災された皆さまの安全と健康の回復,また少しでも早い生活の復興を願うばかりです。
さて,今月号の特集は「顔面神経麻痺—新たな展開」です。顔面神経麻痺の診断・治療の現状から病的共同運動への対応,そして最新の顔面神経麻痺の機能再建・再生医療まで,顔面神経麻痺についての最新知見を網羅しています。また,3編の原著も力作ぞろいです。最後に特集をご執筆いただいた先生方,ご投稿いただいた先生方に改めまして御礼申し上げます。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.