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特集 注意すべき真菌症診療の落とし穴
≪部位別:真菌症診療の実際≫
鼻副鼻腔:侵襲型(浸潤型)
Rhinosinusitis:invasive(infiltrating)
初鹿 恭介
1
,
増山 敬祐
1
Kyosuke Hatsushika
1
,
Keisuke Masuyama
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.394-401
発行日 2015年5月20日
Published Date 2015/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200641
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POINT
●急性侵襲型は致命的な疾患となりうるため早急な診断治療が必要となる。
●免疫不全状態が背景にある患者において急性副鼻腔炎を疑う場合,侵襲型鼻副鼻腔真菌症である可能性も考慮して診療にあたる必要がある。
●症状や所見などから悪性腫瘍との鑑別が必要になる場合もある。
●画像上,骨破壊が軽度でも,周囲組織への浸潤性変化を認める場合は,侵襲型鼻副鼻腔真菌症の早期診断に重要な所見となりうることがある。
●(1.3)β-D-グルカンは補助的診断として有用であるが,偽陽性があることやムコールには無効であることなどには注意が必要である。
●治療は,免疫不全状態が背景にある場合,その改善が最重要であり,手術と抗真菌薬を使い分け治療を行う。
●慢性侵襲型も免疫状態の悪化などにより急性侵襲型に移行する可能性がある。
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