Japanese
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特集 耳鼻咽喉科領域の疼痛
2.鼻副鼻腔疾患と痛み
Pain of nasal and paranasal sinus disease
遠藤 周一郎
1
,
増山 敬祐
1
Shuichiro Endo
1
1山梨大学医学部耳鼻咽喉科
pp.107-111
発行日 2006年2月20日
Published Date 2006/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100017
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Ⅰ.はじめに
固有鼻腔,副鼻腔の知覚は,すべて三叉神経が支配している。第Ⅰ枝眼神経の分枝である眼窩上神経は前頭洞を,鼻毛様体神経はさらに前・後篩骨神経に分かれ,鼻腔前部,前篩骨洞,後篩骨洞,蝶形洞を支配する。第Ⅱ枝上顎神経の分枝である後上歯神経,眼窩下神経,翼口蓋神経節からの枝は上顎洞,鼻腔後部の知覚を支配する(図1,2)。これら三叉神経の分枝は前後して脳硬膜,眼窩,歯,および歯槽にも走行する。したがって,鼻副鼻腔疾患に基づく痛みは通常顔面痛として出現するが,時には歯痛,眼痛,頭痛として現れることもある。
痛みを伴う鼻副鼻腔疾患を表1にまとめた。本稿では,これらの疾患について痛みを中心に解説を行い,さらに顔面痛として鑑別しなければならない三叉神経痛,頭痛とともに鼻症状を伴う群発頭痛についても詳しく述べる。
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