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Jibi Inkoka, Tokeibu Geka Volume 87, Issue 3 （March 2015）

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 87巻3号（2015年3月発行）

Japanese English

原著

鼻腔内に萌出した逆生歯牙の2例 Two cases of ectopic inverted tooth in the nasal cavity 窪田雄一 ¹ , 藤尾久美 ¹ , 井之口豪 ¹ , 長谷川信吾 ¹ , 山崎隆 ² , 大月直樹 ¹ , 丹生健一 ¹ Yuichi Kubota ¹ , Hisami Fujio ¹ , Go Inokuchi ¹ ¹神戸大学大学院医学研究科外科系講座耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野 ²神戸大学大学院医学研究科病理部学講座病理診断学分野 ¹Department of Otolaryngology-Head and Neck Surgery, Kobe University Hospital pp.237-241

発行日 2015年3月20日 Published Date 2015/3/20

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200536

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参考文献 Reference

はじめに

　逆生歯牙とは歯冠部が正常の萠出方向と逆方向にあり，鼻腔や上顎洞，上顎骨内に転位した歯牙を指す。1754年Albinusにより初めて報告され，わが国では1901年に金杉^1）が最初に報告している。症例報告は比較的稀であり，無症状のまま経過する症例も存在する。しかし無治療の場合，鼻閉，鼻出血，鼻汁，頬部痛，上顎洞炎，蜂窩織炎，鼻腔口腔間瘻孔，歯原性囊胞など起こりうる付随症状や合併症は多岐にわたる。鼻・副鼻腔腫瘤を確認した際には鑑別診断の1つとして逆生歯牙を挙げ，的確に診断をすることが重要である。今回われわれは，鼻腔内腫瘤として発見された逆生歯牙を2例経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する。

　An ectopic inverted tooth is an abnormal eruption of teeth during the course of development. We reported two cases of an inverted tooth in the nasal cavity.

　CT revealed the low-density area in the middle of the calcified mass. Low-density area compatible with the dental pulp is seemed to be the specific signs suggesting the inverted tooth.