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紅斑性狼瘡の網膜血管病変(螢光造影所見)
清水 弘一
1
1群馬大学眼科
pp.1885
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905671
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紅斑性狼瘡SLEでは,網膜に閉塞性血管炎が併発することがある。閉塞は動脈本幹から分岐する小動脈・毛細血管網・小静脈の循環単位ごとに起こり,新鮮例では軟性白斑として観察される。陳旧化すると,閉塞部の血管は狭窄または白線化する。この例は,黄斑の耳側に血管閉塞があり,画面の下方に網膜前出血がある。
中心窩の無血管領域では,背景螢光がまったく暗黒であるのに対し,耳側の血管閉塞部では,ムラムラした網膜色素上皮からの螢光が明瞭に観察される。いわゆる「暗い黄斑」dark maculaを端的に示す所見である。
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