Japanese
English
連載 眼の組織・病理アトラス・100
神経線維腫症
Neurofibromatosis
猪俣 孟
1
Hajime Inomata
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.212-213
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904166
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
神経線維腫症neurofibromatosisは1882年にvon Recklinghausenによって最初に報告された全身性の過誤腫hamartomaで,神経提由来の組織,特に知覚神経,シュワン細胞,メラノサイトが存在する皮膚,耳,眼などに多発性の神経線維腫を発生する。
用語の混乱を避けるために,NIH ConsensusDevelopment Conferenceは,神経線維腫症をneurofibromatosis 1(NF−1)とneurofibroma—tosis 2(NF−2)に分けた。NF−1は従来フォン・レックリングハウゼン病von Recklinghausen'sdiseaseまたは末梢性神経線維腫症と呼ばれていたもので,皮膚に茶褐色の色素斑,すなわちカフェ・オ・レ斑café-au-lait spotsや神経線維腫,虹彩のリッシュ結節Lisch's nodules,視神経膠腫optic nerve gliomaなどが出現する。NF−2は,従来中枢性神経線維腫症または両側聴神経腫症bilateral acoustic neurofibromatosisと呼ばれていたもので,中枢神経,特に聴神経が侵されるが,皮膚所見に乏しい。いずれも優性遺伝形式をとる。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.