増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
12 網膜硝子体
硝子体手術—硝子体出血
平林 一貴
1
1信州大学医学部眼科学教室
pp.224-225
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213796
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手術・治療の概要
硝子体出血の年間発症率は,10万人当たり7人と報告されている1)。硝子体出血の原因には増殖糖尿病網膜症,外傷,網膜裂孔,網膜剝離,網膜静脈閉塞症,後部硝子体剝離や加齢黄斑変性などがある。視力予後は原疾患によって異なるため,硝子体出血の原因を特定することが重要である。視力予後は網膜裂孔,後部硝子体剝離,網膜静脈閉塞症は比較的予後良好であるのに対して,網膜剝離や増殖糖尿病網膜症,加齢黄斑変性に続発するものは予後不良とされている2)。
眼底の透見不良な硝子体出血の場合,超音波Bモード検査にて網膜剝離や網膜裂孔の有無を確認する必要がある。早期の硝子体手術を受けた患者は,受けなかった患者と比較して視力予後が良好であったとの報告もあり3),当院においては,糖尿病や加齢黄斑変性などの硝子体出血の原因疾患が明らかでない眼底透見不良の患者に対しては早期の硝子体手術を施行している。
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