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あとがき
坂本 泰二
pp.1064
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213659
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臨床眼科の世界で一流誌といえばOphthalmology, JAMA Ophthalmology, American Journal of Ophthalmologyです。それぞれの歴史や編集方針が異なりますので,このうちのどれが最も優れているかはいえません。ただし,歴史の長さや眼科以外の社会への影響を重視しているという点では,JAMA Ophthalmologyが第一に挙げられるでしょう。編集長のNeil Bressler先生によれば,科学的な正しさはもちろんであるが,その内容が眼科や社会に強いインパクトを与える論文を重視するということです。そのような視点で読み比べると確かにJAMA Ophthalmologyは他誌とは異なる雑誌です。
そのJAMA Ophthalmology誌で人気のコーナーが,「Clinical Challenge」です。珍しい症例を提示してその診断や治療に対して選択肢を提供し,最後に解説をするというものです。診断が難しい症例を提示して読者の知識を増やすだけではなく,クイズ形式にして娯楽性を加えたことが人気の原因です。ことの善悪は別にして,現代人はインターネットなどで短時間に正解を求める癖がついており,きちんとした論文が好まれないことも成功した一因かもしれません。
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