--------------------
あとがき
坂本 泰二
pp.1812
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103385
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
このあとがきを,8月31日に書いております。今年の夏は記録的な猛暑でしたが,残暑も例年に増して厳しいようです。皆様はご健勝に,夏を乗り切られたでしょうか。
さて,今月の話題は「人工網膜による網膜色素変性の治療」です。この分野でわが国を代表する研究者である神田先生と不二門先生が,現状についてわかりやすく解説されています。人工網膜の研究は,将来の工学医療の先駆けとなる研究領域で,現在各国が覇を競っている状況です。米国,ドイツ,日本がそれぞれ独自の技術を持って先行し,そこに韓国などが入ってこようとしていますが,これは自動車業界と似ています。自動車業界では,日本は一定のアドバンテージを保っていますが,人工網膜分野ではどうでしょうか。自動車,弱電などの業界では,世界統一規格を獲得したメーカーが世界市場すべてを獲得します。人工網膜分野では,まだ世界統一規格は確立されていないようですから,これからも熾烈な競争が続くでしょう。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.