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連載 Clinical Challenge・4
原発閉塞隅角緑内障でレーザー虹彩切開術後に不定期に眼圧上昇し視野障害が進行してしまった症例
A case with primary angle-closure glaucoma in which visual field deteriorated because of unstable IOP control after laser iridotomy
鈴木 康之
1
Yasuyuki Suzuki
1
1東海大学医学部眼科学教室
pp.794-797
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213603
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症例
患者:57歳,女性
現病歴:9年前に原発閉塞隅角緑内障と診断され,時間外に緊急で東海大学医学部附属病院眼科(以下,当科)に紹介され受診となった。初診時の眼圧は,右60mmHg以上,左20mmHgであった。右眼には角膜浮腫も認められ,D-マンニトール点滴,ピロカルピン塩酸塩を含む点眼治療後,両眼レーザー虹彩切開術を施行し眼圧は下降した。その後,炭酸脱水酵素阻害薬内服ならびに交感神経β受容体遮断薬とベタメタゾン点眼を処方した。
再診時の矯正視力は,右0.9,左1.0で,眼圧は右9mmHg,左8mmHgまで下降した。ハンフリー視野検査の結果を図1に示す。内服薬は中止し,ビマトプロスト点眼を両眼1回/日として経過観察を行った。当初は両眼とも眼圧12mmHg程度に落ち着いていたが,眼圧は不安定であった。時折の眼圧上昇に対し,カルテオロール塩酸塩点眼を追加,チモロールマレイン酸塩とドルゾラミド塩酸塩の配合薬への変更,ブリモニジン酒石酸塩の追加,一時的な炭酸脱水酵素阻害薬の内服処方で対処していた。3年前から近医で経過観察を続けていたが,今回,右眼圧が41mmHgに上昇したため再び当科を受診することとなった。
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