今月の表紙
急性水腫
名畑 浩昌
1
,
井上 幸次
2
1杏林大学医学部付属病院アイセンター
2鳥取大
pp.5
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213006
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- 文献概要
症例は13歳,女性。右眼の視力低下を自覚し近医を受診したところ,角膜混濁を指摘され精査加療目的で当院へ紹介となった。初診時の右眼視力は指数弁,眼圧はアイケアにて7.2mmHgであった。前眼部所見では角膜の前方突出を伴う浮腫性混濁があり,前眼部光干渉断層計(OCT)にてデスメ膜の断裂を認めた。左眼には円錐角膜を疑う所見はなく,片眼性の円錐角膜に生じた急性水腫(acute hydrops)と考えられた。
撮影には,RODENSTOCK社製のスリットランプRO5000とTOMEY社製の前眼部OCT CASIA2を使用した。左の写真は倍率×6としてカメラを180°方向に振り,背景光をオフにし,ディフューザーを用いた照明光を正面に置き,光量を調整して撮影した。右の写真はOCTラジアルスキャンを行い,病変部の形状がわかりやすい180°方向の2次元断層像を使用した。スリットランプの写真は正面からの撮影だと平面に写ってしまい,病変部の高さや立体感が不明瞭であったため,うまく描出できるよう180°方向からの撮影を行い一目でわかるようにした。また,病態がイメージしやすいように前眼部OCT画像も呈示した。
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