特集 胎内治療
胎児水腫
前田 博敬
1
,
下川 浩
1
,
中野 仁雄
1
Hirotaka Maeda
1
1九州大学医学部婦人科学産科学教室
pp.419-422
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207782
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1970年代の超音波断層法として,電子スキャンが周産期管理に導入された。これにより多くの胎児異常が出生前に診断されるようになり,さらにリアルタイムでの胎児観察は穿刺術の進歩もともなって胎児の形態診断のみならず,機能的な評価を可能にした。このような胎児診断学の発展は臨床胎児医学の進歩をもたらし,その結果,1980年代には種々の胎児病に対する胎児治療が試みられるようになり,なかには成功例も報告されてきている。
胎児水腫は胎児の浮腫と腔水症を主な病態とする胎児病である。そして,その成因から母児間血液型不適合妊娠による免疫性胎児水腫と,それ以外の成因による非免疫性胎児水腫(Nonirnmunologic hydrops fetalis:NIHF)に大別される。本稿では自験例をもとに,NIHFとその胎児治療について概説する。
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