Ⅱ.角結膜
7.円錐角膜における急性水腫
原 雄将
1
,
山上 聡
1
1日本大学医学部視覚科学系眼科学分野
キーワード:
円錐角膜
,
急性水腫
,
角膜浮腫
,
前房内注射
,
DMEK
Keyword:
円錐角膜
,
急性水腫
,
角膜浮腫
,
前房内注射
,
DMEK
pp.1111-1115
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001864
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急性水腫は角膜内皮とデスメ(Descemet)膜の破裂により実質と上皮に前房水が入ってくることで生じる角膜浮腫で,円錐角膜患者に発症することが多い。急性水腫は限局性の浮腫で自然治癒傾向があり,通常2~4か月で改善するので経過観察のみでも問題はない。角膜浮腫の早期改善を図るには,保存的には,実質内の浮腫を軽減するための5%高張食塩水や圧迫パッチおよび治療用コンタクトレンズなどがある。外科的には,デスメ膜の角膜実質への再接着を促進することでの実質浮腫の早期改善を目的として前房内への空気や膨張性ガス注入,Descemet membrane endothelial keratoplastyが行われることも報告されている。急性水腫後の拒絶反応発生や角膜新生血管の予防のためにステロイド点眼を用いることも報告されている。
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