増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
6.神経・外眼部・腫瘍などの疾患
2)外眼部疾患
IgG4関連Mikulicz病からIgG4関連眼疾患への変遷
高比良 雅之
1
1金沢大学附属病院眼科
pp.358-361
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212939
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以前の常識
●IgG4関連疾患の眼症状は,古来よりMikulicz病と称される対称性涙腺腫大が主であり,重篤な視機能障害を呈する病態は知られていなかった。
●IgG4関連涙腺炎からリンパ腫が発症した症例報告が散見されたが,眼窩リンパ増殖性疾患に占めるIgG4関連疾患の割合など,その頻度は不明であった。
現在の常識
●IgG4関連疾患の眼症状には涙腺腫大のほかにも三叉神経腫大,外眼筋腫大がしばしばみられ,これらはIgG4関連眼疾患の3大病変である。また,視神経症による重篤な視機能障害をきたす症例もある。
●日本での多施設調査では,IgG4染色陽性MALTリンパ腫の症例数はIgG4関連眼疾患のおよそ1/5であり,治療に際して両者の鑑別は重要である。
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