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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
IgG4関連疾患
-――病態解明と新規治療法の開発に向けて
IgG4-related disease
山本 元久
1
Motohisa YAMAMOTO
1
1東京大学医科学研究所附属病院アレルギー免疫科
キーワード:
IgG4関連疾患
,
リツキシマブ
,
アバタセプト
,
個別化医療
Keyword:
IgG4関連疾患
,
リツキシマブ
,
アバタセプト
,
個別化医療
pp.760-765
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709760
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近年になり,IgG4関連疾患の病態は徐々に解明されつつある.当初は2型ヘルパーT(Th2)細胞型炎症を背景に濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞などがキープレイヤーとして考えられていたが,現在,CD4陽性細胞傷害性リンパ球(CD4+CTL)や末梢ヘルパーT(Tph)細胞といった新しい細胞サブセットの関与が示唆されている.このことから,これらの炎症ネットワークが解明されることで,実臨床で直面しているステロイド治療の限界を克服し,新たな治療法の開発が前進するものと期待される.ほかのリウマチ性疾患に対して適応のある生物学的製剤の適応拡大や,新しい治療標的分子の探索および創薬につながるものと考えられる.そして,本疾患の病態が均一ではない可能性から,現在使用可能な臨床データとトランスクリプトームやエピゲノムデータの統合的な解析を行うことにより,患者の層別化・個別化医療に発展していくものと期待される.
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