特集 副鼻腔炎診療は変わったか?
知っておくべき副鼻腔炎を伴う全身疾患
IgG4関連疾患
山本 圭佑
1
,
高野 賢一
1
Keisuke Yamamoto
1
,
Kenichi Takano
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
IgG4関連疾患
,
IgG4-RD
Keyword:
IgG4関連疾患
,
IgG4-RD
pp.189-193
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000468
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はじめに
IgG4関連疾患(IgG4-RD)は高IgG4血症と腫大した罹患臓器へのIgG4陽性形質細胞浸潤と線維化を特徴とする全身性の炎症性疾患である。IgG4-RDは自己免疫性膵炎やIgG4関連涙腺・唾液腺炎を代表として全身の多くの臓器がその標的となる。アメリカ(ACR),欧州(EULAR)の国際的専門家グループによるIgG4関連疾患分類基準では,エントリー基準として眼窩,硬膜,唾液腺,甲状腺,肺,大動脈,胆管,腎臓,膵臓,後腹膜が典型的臓器として定められた1)。一方,鼻副鼻腔は “典型的臓器” に含まれず,その臓器別診断基準はいまだ確立していないものの,主に海外で疾患活動性指標として用いられるresponder index(RI)において鼻腔項目が含まれるなど2),本疾患に特徴的な鼻副鼻腔病変が伴うことはよく知られている3)。
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