増刊号 眼科基本検査パーフェクトガイド—理論と実技のすべてがわかる
Ⅰ 眼科検査の理論と実技
色覚検査
中村 かおる
1
,
田中 芳樹
2
1東京女子医科大学眼科学教室
2中京眼科視覚研究所
pp.98-105
発行日 2017年10月30日
Published Date 2017/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212466
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理論編
色覚異常の混同色
先天色覚異常
正常色覚には異なって見える色が,色覚異常では類似の色に見える現象を混同色あるいは仮性同色という。2色覚のこのような混同色は,国際照明委員会(Commission Internationale de l'Eclairage:CIE)のxy色度図上では混同色軌跡で表される(図1)1)。特に白色光と区別できない色光の波長は,1型2色覚では495nm,2型2色覚では500nm付近にあり,これを中性点という。また,1型色覚では長波長側の視感度が低い2)。主な混同色は,赤と緑,橙と黄緑,茶と緑,青と紫,緑と無彩色,ピンクと無彩色などである3)。異常3色覚でも頻度は低いが,同様の混同を示す。色覚検査表は,この混同色理論を利用して作成されている。
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