増刊号 眼科基本検査パーフェクトガイド—理論と実技のすべてがわかる
Ⅰ 眼科検査の理論と実技
眼圧検査
鈴木 康之
1
,
小林 知世
2
,
松本 文也
1
1東海大学医学部医学科専門診療学系眼科学
2東海大学医学部付属病院眼科
pp.106-117
発行日 2017年10月30日
Published Date 2017/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212467
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理論編
眼圧検査の目的
眼圧(intraocular pressure)は眼球内圧が大気圧に対してどの程度高値になっているかを表し,mmHgの単位で評価される。眼圧は毛様体無色素上皮からの房水産生と隅角からの房水排出量によってコントロールされ,強度の高眼圧は角膜混濁,充血,眼痛,虹彩炎,および急性緑内障として急激に進行する視神経乳頭の圧迫による視神経障害をきたし,慢性的な軽度〜中等度の高眼圧は徐々に進行する視神経障害をきたす。一方,低眼圧は低眼圧黄斑症,脈絡膜剝離,角膜のデスメ膜皺襞などを起こして,視力低下をきたす。眼圧検査は眼科診療でのルーチン検査の1つであり,被検眼の眼圧値の評価や異常な高眼圧・低眼圧の検出,および各種レーザーや手術などの侵襲による眼圧変動の評価,緑内障治療における眼圧下降効果の評価のために行われる。
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