--------------------
あとがき
寺崎 浩子
pp.1812
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212090
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
秋も深まってまいりました。第70回日本臨床眼科学会も終了したばかりで,勉学意欲に燃えていらっしゃる方も多いかと思います。本号も盛り沢山で,どの項から読んでいこうかと迷うところです。今月の特集は,本誌編集委員・坂本教授の企画,「美しさを追求する眼形成」です。序文に書かれているように,眼形成では技術的課題のみならず,個人の美的感覚の違いという美しさのゴールの違いが,白内障手術におけるよく見えるというゴールとは異なるものだということで,さらに手術を難しくしているわけですが,まずは忠実にエキスパートのマネをしていくことが得策かと思われるので,本特集を参考にして美しい眼形成手術をマスターしていただきたいと思います。
今月の話題「間違いだらけの臨床研究」は,一般臨床家でも学会発表や論文投稿で,最近ちょっと気になる事項について述べられています。臨床研究とは,ヒトを対象としたすべての研究であり,我々が行っている症例報告も含みます。臨床研究にはさらに「介入」があるかないかで,臨床試験という位置づけになるか決まります。「介入」は適応内の治療や手術手技,検査でも,治療薬やその方法の選択を割り付ければ起こることであり,大学病院でもクリニックでも同様です。「介入」ならば,患者の同意のみならず,倫理委員会またはIRBの承認,UMINへの登録が必要なわけです。今秋,臨床研究に関する法制化が見込まれているなかで,我々も知識を深めていかなければならないわけですから,理解しにくい事項を日常用語でわかりやすく書かれている本稿で,まずは基本的知識を増やしていきましょう。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.