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あとがき
寺崎 浩子
pp.1696
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102905
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本号は2008年10月東京フォーラムで開催された第62回日本臨床眼科学会講演集の最終回です。おかげさまで,学会原著は150本を超えました。日本臨床眼科学会の参加者は年々増加し,演題数も増えています。一般講演やポスター展示をすべて拝聴または閲覧することはさらに難しくなっています。そうなってみると原著は重要で,発表後の原著は考按もよく練られるはずで,いい論文が期待されるということだと思います。
本号の今月の話題は,「眼圧測定の問題点」です。角膜分野と緑内障の分野は一見まったく関係ないように思われますが,実は臨床にはきわめて密接に関係する事項であることに気づかれます。眼科分野の専門化が進んでも,こんな小さな器官なのだからトータルケアがやはり基本であることを再認識いたします。多くの正常眼圧緑内障を抱えるなか,眼圧値をどのように考えるのか読んで考えてみてください。
連載欄「もっと医療コミュニケーション」では,眼科医が診断・治療を正しく行うのは当たり前のことなのですが,患者さんの理解や治療意欲,医師への信頼感が,声によって変わってくるという面白い話です。確かに心当たりがあるような気がします。日々,患者さんのために尽くしているわれわれの努力に対する受け取り方が,声で変わるとあれば,もったいないので少し声の高い先生は低くしてみるといいかもしれません。いずれにしても,医師としての知識,技量,そして患者を思いやる気持ちがあってのうえでのことですが。
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