今月の表紙
多発消失性白点症候群
永野 幸一
1
,
鈴木 康之
2
1北里大学病院
2東海大学
pp.810
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211825
- 有料閲覧
- 文献概要
症例は38歳,女性。3日前から左眼耳側の見づらさ,飛蚊症,夜盲を自覚し,近医を受診。白点状網膜炎にて当院紹介受診となった。初診時視力は,左右とも(1.2),眼圧は左右とも11mm/Hgであった。前眼部・中間透光体には炎症所見はなく,左眼の視神経乳頭周囲に多数の白斑を認めた。Goldmann動的視野検査では左眼のMariotte盲点の拡大を認め,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では,ellipsoid lineの不明瞭化がみられた。眼底自発蛍光では,白点部位は過蛍光となった(写真左)。フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)では初期から白斑は点状の淡い過蛍光を示し,インドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA)では低蛍光斑がみられ,後期でより明瞭となった(写真右)。約2か月後に白点は消失し,Mariotte盲点も縮小して自覚症状も改善した。
撮影は,HEIDELBERG社のHRA2を使用し,55°の広角レンズを装着してHigh Resolution Modeで行っている。また,眼底自発蛍光像はより明瞭な画像が得られるように30枚の加算処理を行っている。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.