Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
アシクロビル®(ACV)のヘルペス性角膜潰瘍に対する治療効果を,9施設の共同研究によって検討した。92例の患者を3%ACV軟膏1日5回点眼によって治療した結果,81例(88%)において潰瘍は14日以内に消失し,それらの例における潰瘍消失平均日数は5.8±3.40であった。一般的副作用としてはACV自身によると思われるものは1例もなかったが,細菌混合感染防止のため併用した抗生物質点眼液に刺激のあった者1例,ACV軟膏基剤による過敏性反応と思われるものが1例あった。びまん性表層角膜炎(KSD)は角膜ヘルペスの症状としてもおこり,潰瘍の治癒過程においても発生するものであるが,ACV軟膏点眼の副作用としても発生する場合もあることが推定された。しかしそのために治療が中断されたり,発生したKSDに治療を加える必要のあるような症例はなかった。
これを要するに,ACVはすぐれたヘルペス性角膜炎の治療薬(抗ヘルペス剤)と考えられるが,欧米における驚異的な治療効果報告(99%の症例で10日以内に潰瘍消失,平均4.5日)に比べると,日本における成績はやや落ちるようにも考えられる。これらの問題は現在進行中のIDUとの二重盲検試験の結果をまって結論を出す予定である。
The efficacy of aciclovir (ACV) in the treatment of herpetic keratitis was examined by a group study conducted in nine institutions. 92 patients were treated with 3%) ACV ointment 5 times daily. In 81 patients (88%), ulceration healed within 14 days and the average time for healing was 5.8±3.4 days. No adverse reactions attribu-table to ACV were observed, although one patient developed local hypersensitivity to the ointment base.
Epithelial punctate keratitis appeared in some patients during treatment.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.