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1975年12月〜1979年6月までにiris medallion lensを挿入した68人75眼について合併症を中心として統計的観察を行った。特に臨床的に重篤な合併症は,緑内障1眼と,角膜内皮ジストロフィーの4眼の内3眼,縫合糸が切れてレンズが完全脱臼した1眼,計5眼に生じた。しかしpilocarpinの点眼,レンズの除去,縫合糸の抜去により全例視機能は,大きく損われずにすんだ。脱臼は非常に高頻度(21.3%)に起きたが,非観血的に復位できた。60歳未満の合併症の発生率は非常に高頻度であり,従来よりいわれている,挿入は60歳以上の原則が厳守されねばならない。晩期合併症を防ぐのに重要なことは,確実なレンズの固定である。レンズの固定は嚢外法後,ループと後嚢を癒着させる方法がより確実,強固であると思われる。lris medallion lensは,この点に関して,大きすぎ,重すぎるので不適である。また60歳以上でも,合併症の発生は,16%と高頻度なので,筆者個人は,嚢外後はもちろん嚢内摘出後にiris medallion lensを使用することは,2度と行わない。既に挿入されたものについては,今後,脱臼,レンズ縫付糸の自然切断,角膜内皮ジストロフィーの発生に関して,特に厳重な長期にわたる管理が必要である。
We performed implantation of iris medallion lens (Worst) in 75 eyes of 68 patients during the past 5-year period. We could review the long-term results in 64 eyes of 58 patients after a follow-up period of 1 to 4.5 years. The operated 75 eyes in-eluded 68 eyes with senile cataract and 7 with trau-matic one. Lens implantation was performed after intracapsular extraction in 67 eyes and after ex-tracapsular one in 8. The final postoperative visual acuity averaged 0.84.
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