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緒 言
Behçet病は,1937年イスタンブール大学皮膚科Behçet1)が眼症状,皮膚症状,陰部潰瘍を一疾患単位として記載し,その症状の多彩性と再燃性を特徴とする慢性炎性疾患とされて来た。本症は第二次大戦後日本において,世界諸国の発生率を更に凌駕する異常な急増多発傾向を示し,かつ各種の治療手段に抵抗性を示す屈指の難病として,1972年度厚生省特定疾患に指定された。本症の成因に関し眼科領域においても古くは,結核説,ブドウ球菌アレルギー説,敗血症説等があげられ,その後疫学的,生化学的多方面からの研究がなされているが,まだその詳細は不明であり,本症の発症機構に直接関与する病原因子の検索は今後増々重要視されて来ている。近年本症における免疫血清学的検索2)や病巣付近の二,三の検索3〜5)が(諸家により)活発に行なわれ,免疫機構の関与が示唆されてはいるが,いまだ本症との関連性については解明されていない。今回,著者らは本症の患者に体液性免疫におけるImmunogloblinの増加を認めたことより,何らかの免疫機構の関与があるのではないかと考え,本症の原因解明の一助とすべく,発作期・緩解期について,細胞性免疫特にT cellの機構について検索し興味ある知見を得たのでここに報告する。
We conducted immunological studies on 6 cases of Behçet's disease with ocular involvement. Four cases were during the stage of recurrent attacks and the 2 cases were during the stage of remission.
All the 6 cases showed some abnormalities in serum immunoglobulin with an increase in IgA, IgG, IgM, IgD or IgE fraction. All the cases showed normal values for spontaneous rosette formation with sheep erythrocytes (T cell function) and surface immunoglobulin-bearing lymphocytes (B cell function).
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