Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
照明といえば螢光灯が先ず頭に浮ぶ様に,昭和28,9年頃は光源界の革命児螢光灯の出現により,これが視器への影響についての論議が紙上をにぎわしていた。しかしこれも結論がついたわけでなく,最近においても蒲山,大塚氏らの報告がみられる。この螢光灯の視器に及ぼす影響については,すでに大塚,佐野,陶山氏ら多数の研究者によつて報告されている。これらの点からも現在の螢光灯が非常に改良されているとしても,全く視器への影響がないとするには問題があると思う。特に調節機能への影響の存在はこれを否定することは出来ないと考える。
近年,学童・生徒の近視の増加は著しいものがあり,当然ここに近視成因の大きな要素として照明が浮び上つてくる。そこで照明光源として螢光灯がよいか,わるいかという一般論でなく,実際には現在各家庭に深く浸透しているものであり,又光源自体の改良も行われ非常に多種類のものが出ている今日,これらについて詳細に検討する必要があると思う。そして螢光灯そのものは非常に価値ある光源であり,これが正しい使用法を確立すべきではないかと思う。ところが現在これらの点については医学的検討はあまり行われていないようである。筆者らは先にTV.螢光面の波長によつて眼機能への影響が異なることを報告した。本実験は同様に螢光灯の色の波長の相異が眼調節機能へどのように影響するかについて検討した。
Using twelve fluorescent lamps of 20 watt, which differ from each other in the spectral energy distribution and one incandescent lamp with stand illuminators, their influences on accommodation of the eye were examined by means of H.S.'s Autographic Asthenopiameter under the conditions in which the subjects reads a book under these lamps over one hour and two hours respectively. On the same time, temperatures of the conjunctival sac were examined by use of a micro-pyrometer.
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.