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病院の螢光灯照明
櫻井 省吾
1
1早大
pp.21-24
発行日 1953年6月1日
Published Date 1953/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200658
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新らしい照明用光源として,螢光ランプが1938年に出現して,既に15年になる。我国に於ても昭和14年頃試作されここ1,2年来螢光ランプ照明は急激な発展をした。"世紀の光源"と謂われるこの輝かしい高効率な光が,各処のビルの窓々から見られ,また商店,百貨店内に活気ある照明を与えている。病院の如き近代施設には,是非ともこの進歩的な新らしい照明を普及せしめ度い。
わが国の病院照明を米国合衆国のそれと比較すると,はなはだ貧弱な現状にある。わが国の主な病院照明の調査によると,その照度(照明されている面の明るさ,この単位をルクスと(1ux)称える。これはm2当りのルーメン(1m/m2)である。)は米国合衆国のそれの約数分の1程度に過ぎない所が多い。殊に手術室照明の如きは,甚だ低照度で,手術作業に困難ではないかとさえ思われる程である。
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