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特集 第13回臨床眼科学会号
一般講演
網膜剥離眼に於ける眼圧調整機序の様相について—(第4篇) Tonography値について
Studies on the phase about the regulations mechanismus of intraocular pressure concerning the idiopathic retinal detachment
森寺 保之
1,2
Yasushi Moridera
1,2
1京大眼科
2大津市民病院眼科
1Dept. of Ophth. of Medical School Kyoto University.
pp.476-481
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206594
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緒言
曩に網膜剥離眼165眼の眼圧値,日差動揺値を測定し,正常眼圧下限値11mHg以下のもの43%を占め,従来の成績の如く,眼圧は下降する傾向にある事を知り,且一部に於いては正常圧を保ち,又眼圧上昇し不安定性を示せるものもあり,必ずしも一律に思考しえない結果を得た。次いでLabi-lity-testを施行し,眼圧値の低い,裂孔巨大なる例では(特に鋸状縁裂孔)頸部圧迫によりむしろ眼圧は下降する傾向にある事を知り,裂孔を経て脈絡膜系血管の流出路の存在が,本症の眼圧の推移を知る上に相当な地位を占めるのではないかと云う疑問を抱いた。然し乍ら大部分の症例に就いては,裂孔の閉鎖と共に眼圧値,及び不安定性の回復を招来せる点より思考し,当然後部流出路の存在を想定する事が出来るのであるが,猶一部に於いては,治療経過良好で全治せる例に於いても,眼圧の回復が認められず,猶下降するものがあり,葡萄膜血管を経過する排泄路のみならず,眼圧調整機序,特に毛様体機能に就いて検討を加える必要を認め,加えて後部流出路の存在する場合に於けるTonographyの態度についても検討を要すると思考し,Tonographyを施行して見た。猶本症に於ける前毛様静脈圧をpelotten metho-deにて測定し解明の一助とした。
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