談話室
ロンドン生活のRésumé
中島 章
1
1順天堂大学
pp.949-951
発行日 1958年6月15日
Published Date 1958/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206391
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別便に書きましたようにこれからair letterのある限り,今迄の此所の生活のresumeを書いて見ます。その為にと思つて,必要と思われる資料をわざとpackせずに置いてあるので,書き終え次第parcelにして送り出してしまおうと思つてます。勿論これでは原稿にならないかもしれませんが,適当な形にして臨眼に出して頂ければ幸と存じます。出来る丈先生の御厄介をかけないように試みて見ますが,どうもまたまた御迷惑をおかけするかと思つて本当に恐縮して居ます。
昨年ロンドンに着いてから昨年2月頃まで約半年間見たり聞いたりした事は臨眼に載せて頂く事が出来ました。その後私の無精と実験が初まつて時間の余祐が無くなつた事に加えて,来てすぐの新鮮な感覚が無くなつてしまつて,自然医局えの便りも遠くなつてしまつて居ましたが,快して種がなかつたわけでなく,また長く居るにつれて最初見て感じたのとは違つた考えを持つようになつて来た事も色々あります。この1年近くの生活をふりかえつて見て,その中から大切な事,書き止めて置きたい事を,前の報告と違つて,私の今の考えを入れながら結論的に書いて見たいと思います。見てそのままを綴る見聞記に比べて鮮度は劣るかもしれませんが,味付けがうまく出来て居れば仲々うまい料理になつて居るかもしれぬ,とこうゆうわけです。
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