談話室
ロンドン生活のRésumé (その3)
中島 章
1
1順天堂大学眼科
pp.1159-1161
発行日 1958年8月15日
Published Date 1958/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206436
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1月26日あと2時間位でイギリスを離れて1月位は旅鳥と云うわけです。1年半にもなると何だか帰る先の日本が他国の様な気がするのも妙なものです。イギリスでの生活がわりとcomfortableだつた故でもありましようが,何となく去り難い気持にとらわれている所です。さて前の続きを書きましよう。
2日目は主として測色学或いは照明の問題で,Judd,McAdam,Wrightなどと云う名の売れた連中が次々に話していましたが,総じて私が感じた事は,いくら数式をこねまわして実用に便利な様に考えても結局の所は基礎は生理的な事実なので,そこが未だ固つていないのでは彼等もやりにくかろうと云う事でした。そう云つた所にも此のSymposiumの意義があるわけです。例えばMcAdamが提出しているBeat Oscilation Hypo-thesis (私にも内容はよくわかりませんが)などはHar-tline等と云う生理の大御所に色々と話を聞いて,その揚句にひねり出したものの様な話で,大体大勢はColoradaptationの状態での色と云うものまで記述出来る,今迄の体系より一般化された体系をつくる,と云う事に努力が向けられている様に感じました。
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