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I.まえおき
螢光眼底撮影における連続螢光撮影法の採用は,各種の網膜循環動態を知るうえで非常に有効な手段となつている。しかし,撮影間隔を短縮させてより詳細な時間的経過の知見を得るためには螢光眼底映画撮影法が必要とされ,すでに欧米では1959年Flocksら1)によりネコの螢光眼底映画撮影が試みられている。人眼にこれを採り入れたのは1963年L.M.Hartら2)が最初であり,その後この分野に関してはウサギとかサルの撮影も含めて多くの報告がある3)〜11)。また,わが国では藤沢ら12)によつて人眼による螢光映画撮影が報告されている。
ところが螢光眼底映画撮影法では,古くから行なわれている普通の眼底映画撮影13)〜20)の場合と同様に一つの大きな問題がある。それは,撮影間隔のより短い高速度映画撮影を行なおうとすれば照明光量をあげる必要が生じることである。このため人眼の撮影においては当然患者に対する苦痛が増してくる。この問題に対してはいろいろな対策がとられている。高感度フィルムの使用とか増感現像がその例であるが,現状ではこれにも限界がある。われわれのところではこれをイメージインテンシファイアー(映像増倍管)を用いて解決できるのではないかと考えた。イメージインテンシファイアーはイメージ管の一種であるが,これは非常に暗い像を電気的に明るい像に変えるもので,暗い星の観測とかイオン顕微鏡写真とかに利用されている。
A new apparatus for fluorescein cinematogra-phy which utilizes one-stage image intensifier tube was developed. The cinematograph of the rabbit eye was taken at 12 frames per second by which one can study the time analysis of the fluorescein flow in the fundus. It showed the possibility of taking the fluorescein fundus cinematograph of the human eye under dim illumination by employment of the multiple image intensifier tube.
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