臨床實驗
ツベルクリン皮内反應陰性のフリクテン患者に對する結核皮内反應追試(第1報)—200倍ツ液皮内反應追試
小原 博享
1
1名古屋鐵道病院
pp.366-370
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201485
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フリクテン(以下フとす)は其の大部分は結核アレルギーに基くものとされて居るが久保木氏,船石氏等の實驗に據ると結核菌以外の異種蛋白で感作された個髓に結核菌又は結核菌以外の異種蛋白を與えた時にもフが惹起されると云うし亦,一方フ患者で屡々ツペルクリン(以下ツとす)反應陰性のフが存在する。此のツ反應陰性のフが結核アレルギー(以下アとす)現象の一つであるか否かを決定する事は,或は凡そ其の幾パーセントが結核に基調を置くものであるかをツ反應に依て知る事は或は夫が結核性のものであつたにせよ其の個體のツ反應態度の表現と其の推移を追求する事は豫防醫學上極めて重要である。
最近,生井助教授及び其の門下の藤井,檜山氏等に依てフの掻把塗抹標本を起生膿染色する事により假性フか真性フか判別出來ると云う。且,著しいカタル症歌を伴う事なく輪部に假性フが發生し,それが真性フと誤認される事もあると云う。私の實驗當時は此の方法がなく,臨床上カタル症状を伴わない真性フと思われたものに就てツ反應の運命を追求した。
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