臨床實驗
ツ反應陰性フリクテン患者に對する結核皮内反應の追試(第3報)—死菌B.C.Gによるコツホ氏反應
小原 博亨
1
1名古屋鐵道病院
pp.227-231
発行日 1953年6月15日
Published Date 1953/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201506
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フは一般に結核に基調を置くア性現象と理解されて居るが,私は第1報及び第2報にて報告した如く2000倍或は100倍ツ液でツ反應陰性のフ患にツ反應を追試したが,數ヶ月後に於ても陽転したものは僅かに40%以内に過ぎない。尚フの組織学的構成は單球を主とし多核白血球淋巴球であり,或は單球より變化した類上皮細胞,巨態細胞があるが此の樣な組織学的所見は必しも結核に限らず,異物反應が長期に亙るときにも見られる所である。又フリクテンより結核菌の證明は殆ど成功して居ない。從てツ反應と或る面で意味の異つた,而も或る場合にはツ反應より鋭敏である場合もあるとされて居るコツホ氏現象(以下コとす)をツ反應陰性のフ患者に追試する事は,臨床上のフの本態を解明するのに無意義の事でないと信ずる。
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