研究と資料
淋疾の皮内反應に依る集團檢診に就て
柳原 宣
1
,
小川 坦二
1
1日本醫科大學皮膚科教室
pp.139-142
発行日 1948年1月25日
Published Date 1948/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200246
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緒言
戰爭と性病はつきものであると言はれている。戰前より世界有數の性病國であつた我國が終戰後如何に性病患者が激増しつゝあるかは想像の外である。今にして性病に對する公衆衞生學的對策の確立をみざれば我國の將來にはまことに寒心すべきものがある。性病に對する公衆衞生學的對策は我國の國情より考へても簡單にして適切なる診斷方法,即ち結核に對するマンツー反應の如き診斷方法が發達普及せざるかぎり不可能である,梅毒に對しては種々の血清學的診斷方法があるので各種の集團檢診の成績なども發表されているが淋疾に關しては此の種の報告は少い。先に我が教室の故有賀氏は工員層の淋疾罹患状態を補體結合反應に依り調査報告しているが,我々は今度皮内反應に依りダンサーの淋疾罹患状況を調査すると共に淋疾の街頭檢診をなす機會を得たので,其の結果を報告すると共に之に對して2-3の公衆衞生學的考察を加え,淋疾の集團檢診に對する一方法を提示し大方の御指教を仰がんとする次第である。
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