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膿皮症に對する葡萄状球菌トキソイド皮内反應
西田 光一
1
,
井上 彦八郎
1
1東京大學醫學部附屬醫院分院皮膚科
pp.34-37
発行日 1950年1月1日
Published Date 1950/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200300
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1.緒言
精製葡萄状球菌トキソイド(略記葡ト)が葡菌による化膿性皮膚疾患に對して,化學療法とは趣を異にする免疫生物學的治療劑として有効であることに關しては,細谷,林の成書に既に多數の文献があげられている,實際にわれわれがこのトキソイドを膿皮症の治療に使用した際,それの有効なことに就ては從來の報告に略々一致する成績を得たが,特にわれわれの注目をひいたのは,それによつて注射局所に發赤及び腫脹が甚だ屡々見られたことであつた.こゝにおいて逆に葡トによつて皮膚反應を行うことが,膿皮症の診斷の一助となりうるかという問題に導かれた.これを決定するために葡トによる皮膚反應の鋭敏度と特異度とについて臨床實驗を行つた.
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