臨牀實驗
「ツベルクリン」反應より觀たる「フリクテン」患者
小原 博亨
1
1名古屋鐵道病院眼科
pp.118-122
発行日 1949年3月15日
Published Date 1949/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200339
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緒言
フリクテン(以下「フ」とす)患者のツベクリン(以下「ツ」とす)反應に關する研究は現在に到るまで多數の報告を算へる事が出來,其の陽性率に關しては己に一定の範圍内の價が示されて居るものの如くである。只,予は先きに先人の陽性率と異なり小兒期では其の陽性率は極めて低率な事を報告したが,予は更に其の追究を續行して先きの報告の正しきを再確認すると共に,骨結核,淋巴腺結核,腎結核等の結核症及び「フ」と同樣に結核アレルギー(以下「ア」とす)とされて居る浸出性胸膜炎の中の輕症のものも其の陽性率は從來の報告の「フ」の陽性率よりも遙かに低率である事を知つた。之等一見矛盾した如き疑問に對し予は從來の成績と予の夫れと比較して考察を加へると共に「ツ」反應に關連して「フ」患者の胸部レ線像赤血球沈降速度,體温等に就き述べて見たい。
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