特集 手術のタイミングとポイント
Ⅳ.角膜
角膜輪部移植術の適応と術後管理
御宮知 達也
1
,
島﨑 潤
1
1東京歯科大学市川総合病院眼科
pp.210-215
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100994
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はじめに
角膜上皮の幹細胞は角膜輪部の基底層に存在すると推定されている。幹細胞の特異的なマーカーは同定されていないが,細胞周期が長く,高い分裂能を維持している細胞の存在が深部角膜輪部に確認され1),また臨床的にも角膜輪部が角膜上皮の供給源であることがわかってきた2)。角膜上皮は角膜の透明性維持に必要であるため,角膜輪部の障害は視機能低下につながる場合がある。角膜輪部の障害には多岐にわたる原因によるさまざまな程度が考えられ,これらを正確に把握し,適切で必要最低限の治療計画を立てる必要がある。
本稿では輪部移植術について,その適応と術後の管理を述べる。培養輪部上皮シートを移植する方法は,他項を参考にされたい。
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