原著
当科における若年子宮体癌の臨床的検討—特に妊孕性温存を施行した症例について
橋本 歳洋
1
,
山田 秀和
1
,
渡辺 尚文
1
,
高野 芳正
1
,
森村 豊
1
,
栁田 薫
1
,
佐藤 章
1
1福島県立医科大学産科婦人科
pp.1366-1370
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904506
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近年,子宮体癌は増加しており,それに伴い若年子宮体癌も増加傾向にあるとされ,われわれも1990年〜2000年の11年間に40歳未満の子宮体癌患者を12例経験した.そのうち8例に初回治療で根治術を施行し,4例に妊孕性の温存をはかり,ホルモン療法(medroxyprogesteron acetate療法:以下,MPA療法)を施行した.初回治療として根治術を施行した8例はいずれも無病生存している.また,MPA療法を行った4例のうち1例はその後妊娠し,健児を得ているが,2例はMPA療法後に再燃し根治術を施行,1例は異型増殖症で治療中である.健児を得たという報告が散見されるようになってきたが,保存療法は安易に施行すべきではなく,その適応を守ることが大事であり,慎重な管理が必要である.
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