臨床経験
当院における腹腔鏡下子宮体癌根治術の検討
近藤 英司
1
,
竹島 信宏
1がん研究会有明病院 婦人科
キーワード:
Cisplatin
,
開腹術
,
腫瘍多剤併用療法
,
子宮摘出術
,
子宮内膜腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
腹腔鏡法
,
アジュバント化学療法
,
治療成績
,
Docetaxel
,
手術時間
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Cisplatin
,
Hysterectomy
,
Laparotomy
,
Laparoscopy
,
Neoplasm Invasiveness
,
Endometrial Neoplasms
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Treatment Outcome
,
Operative Time
,
Docetaxel
pp.341-346
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016193034
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著者らは2014年4月~2015年9月の間に術前進行期IA期と診断された症例118例に対し、腹腔鏡下子宮体癌根治術を施行した。その結果、1)観察期間の中央値は10ヵ月(1~19ヵ月)で、手術時間は平均172分(55~274分)、出血量は平均46ml(5~300ml)、入院期間は平均7.1日(5~21日)であった。また、骨盤リンパ節郭清個数は中央値30個(19~45個)であった。2)術後の最終病理診断進行度はIA期が112例、IB期が3例、II期が2例、IIIA期が1例であった。腹水細胞診陽性は11例(9%)で、類内皮腺癌G1/G2は112例、G3は2例、漿液性腺癌は2例、carcinosarcomaは1例で、脈管・リンパ管侵襲は12例(10%)で認められた。3)術後に中・高リスク群に分類された症例は20例で、全症例中17%(20/118例)を占めていた。4)術後補助化学療法は23例(19%)に施行され、開腹移行例や輸血症例などの大きな合併症も認められなかった。以上より、腹腔手術のbenefitがあるのは事実であるが、開腹手術と比較したriskなどが今後の課題と考えられた。
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