CURRENT CLINIC
腹腔鏡下手術の現況
堤 治
1
1東京大学医学部産科婦人科
pp.223-229
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903189
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腹腔鏡下手術は患者への肉体的負担はもとより,短期間の入院,早期の社会復帰など21世紀の医療として普及しつつある.私と腹腔鏡下手術の出会いは,1992年新任の教室主任武谷雄二教授に病棟医長を命ぜられ病棟に専念するにあたり思い当たったのがきっかけである.時折白黒化するモニターや竹槍のようなトラカールの状態から最新の機器を関連会社へお願いして借り出すのがスタートであった.その後手探りで手術の適用範囲を広げ,本文に述べるように良性疾患では80%を腹腔鏡下手術で実施するに至った.導入期には臓器損傷や開腹移行など多少のトラブルもあったが,現在では教育とトレーニングのシステムも整い.より安全な腹腔鏡下手術が可能となった.さらに細径化などによる外来腹腔鏡も夢でなくなりつつある.これは熱意ある同僚医師との努力の成果ではあるが,それ以上に手術部・看護部・機器など関連会社のご協力ご鞭撻の賜である.ここにすべての皆様に謝意を表すことをお許しいただきたい.
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