今月の臨床 早期癌—診療ストラテジー
子宮体癌
治療
18.子宮温存療法—掻爬とホルモン療法
山本 宝
1
,
藤田 宏行
1
,
岡田 弘二
1
1京都府立医科大学産婦人科
pp.764-765
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901779
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子宮体癌の治療は,原則として手術療法すなわち子宮摘出術が第一選択であるが,妊孕能の温存を強く希望する若年症例に対しては,子宮を温存する治療法が望まれることがある.若年者の体癌発症の危険因子として,排卵障害を伴う不妊とホルモン環境の異常が挙げられ,とくに多嚢胞卵巣(PCO)を合併している症例が高率にみられる1).PCOによる無排卵により,子宮内膜はエストロゲンの刺激に長期間曝露され,内膜増殖症を経て癌化すると考えられる.このような若年体癌では,高分化型腺癌であることが多く,プロゲストーゲンに対する反応性が高い.
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