今月の臨床 早期癌—診療ストラテジー
子宮体癌
治療
17.異型増殖症は治療か必要か
紀川 純三
1
,
石原 浩
1
1鳥取大学医学部産婦人科
pp.762-763
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901778
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本邦において,子宮体癌は明らかな増加を示し,それに伴い異型増殖症の診断とその取扱いは重要な課題となってきた.しかしながら,組織学的に内膜上皮内癌と異型増殖症の鑑別は困難であり,内膜癌におけるいわゆる初期病変の定義については明確でない.また,異型増殖症の取扱いに関しては必ずしも一定の見解が得られていない.内膜増殖症の取扱いに関する全国83機関のアンケート調査の結果1)では,異型増殖症の取扱い方法は経過観察36%,ホルモン療法35%,手術療法29%であり,ほぼ三等分されている.したがって,十分な病態把握の下に異型増殖症の適切な取扱い法が確立されることが望まれる.
本稿では,異型増殖症の診断および内膜癌との関連とともに,当教室におけるその取扱いについて概説する.
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