CURRENT RESEARCH
血小板活性化因子と分娩発来・早産
楢原 久司
1
1大分医科大学産科婦人科
pp.211-218
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901626
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PAFに興味を持ったのは,受精卵から早期に分泌される因子がPAFもしくはPAF様物質であり,それがearly pregnancy factorの産生に重要であることを知った時である.その頃はPAFがこれほど多くの生理作用を持つことも,その生合成・代謝についてもほとんど知らなかった.テキサス大学生化学・産科婦人科学教室のJohnston教授のもとに留学の機会が与えられたことは,PAFに対する視野を一気に広げることになった.
Johnston教授は,生殖におけるPAFの役割を,「PAFは受精から分娩まで母子間のコミュニケーションのたいせつなメッセンジャーである」と捉えている.このことは,1990年のreviewの“αからωまで”という題名に端的に示されている.私はこの考え方のもとに指導を受け,やがて,それが私たちの共通の認識となった.
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