講座
分娩発来機序に関する研究
梅沢 実
1
1群馬大学
pp.20-23
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201347
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1.はしがき
妊娠が成立すると子宮はその入れ物となつて専ら胎児の発育保護につとめるが,或る時期を過ぎると,今度はその態度を変え,排出器となつて胎児の娩出につとめる.
このように子宮が妊娠のある期間は妊卵の保護器として働くが,この期間を過ぎると全くその態度を変えて排出器として働くようになる.このような子宮機能態度の変化は,之をよく考えて見ると誠に合理的な,目的に叶つた変化と思われるが,併し何うして子宮にこのような機能変化が起るのか,分娩はどんなからくりで起るのかという疑問が生ずる.そしてこの疑問を解こうとして古くから多くの人々により色々研究がなされ,漸次その疑問が解かれつつあるが,その根本的な点は未だ殆んど解つていない.
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