合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用
性ステロイドホルモンの副作用の疫学
血栓症・脳卒中
小林 隆夫
1
,
杉浦 和子
2
1浜松医療センター
2名古屋市立大学大学院看護学研究科
pp.140-147
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208946
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●女性ホルモン剤の有益性は大きく,女性のQOL向上にきわめて効果的であるが,薬剤の種類を問わず女性ホルモン剤を使用すれば,頻度は低いものの血栓塞栓症を発症することがある.
●日本人の女性ホルモン剤服用者の血栓塞栓症発症頻度は欧米人よりわずかに低い程度であり,服用開始後の発症時期,さらには肥満および加齢との関係も欧米人とほとんど差がないことが明らかになった.
●死亡率はきわめて低いが,リスクである血栓塞栓症も常に念頭に置いて,安全な処方と血栓塞栓症の早期発見・早期診断を心がけることが肝要である.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.