今月の臨床 母体救急
母体救急―対応の実際
6.深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症への対応
小林 隆夫
1
1信州大学医学部保健学科
pp.735-739
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101390
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はじめに
静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)はこれまでわが国では比較的稀であるとされていたが,生活習慣の欧米化などに伴い近年急速に増加している1~3).血栓症で臨床的に問題となるのは,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis : DVT)とそれに起因する肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)である.PTEはDVTの一部(5~10%)に発症する疾患であるが,一度発症するとその症状は重篤であり致命的となるので,急速な対処が必要となる.本稿では,VTEの診断・治療,およびVTE合併妊婦への対応について解説する.
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