特集 MATERNAL ADJUSTMENT
尿路系
中林 正雄
1
,
坂元 正一
1
,
雨宮 照子
2
,
武田 佳彦
2
Masao Nakabayashi
1
,
Shoichi Sakamoto
1
,
Teruko Amemiya
2
,
Yoshihiko Takeda
2
1東京女子医科大学母子総合医療センター
2東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.449-452
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207999
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妊娠により母体においては増大する子宮という変化をはじめ,循環動態や内分泌系の著明な変化がおこることはよく知られている。その影響により腎・尿路系にも解剖学的および機能的変化が生じ,母体は腎・尿路系においても妊娠に対応する適応現象がおこっている。これらの変化は妊娠継続には当然必要なことではあるが,そのために妊娠中に合併しやすい腎・尿路系の疾患もある。これらの妊娠による腎機能や尿路系の変化をよく知ることは,妊娠中に生ずる腎・尿路系の異常を正しく評価し,早期に診断するためには必要なことである。
本稿では,はじめに妊娠によって生ずる腎・尿路系の解剖学的変化について述べ,ついで母体の適応現象としての腎機能の変化について概説する。
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