Japanese
English
綜説
経口避妊薬と血栓
Oral contraceptives and thromboembolism
佐藤 和雄
1
,
荻野 雅弘
1
,
中林 正雄
1
,
坂元 正一
1
Kazuo Sato
1
,
Masahiro Ogino
1
,
Masao Nakabayashi
1
,
Shoichi Sakamoto
1
1東京大学医学部産婦人科
1Dept.of Obstetrics and Gynecology, Faculty of Med., Univ. of Tokyc
pp.212-220
発行日 1978年3月15日
Published Date 1978/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203167
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今日,経口避妊薬は,その効果の確実性から広く普及し,世界で約5千万人の服用者が存在すると推定されて1)いるが,経口避妊薬が婦人科領域に普及し始めたのは1950年代で今日まだ20年余りの歴史を持つに過ぎない。しかし,経口避妊薬は長期聞服用される事,健康婦人が服用する事等から,その使用をめぐり,肝機能障害,血栓症惹起の危険性,催糖尿病性,発癌性,催奇形性などの副作用が問題点として論じられてきた。しかし,これらの副作用については現在全て実証されたわけではない。経口避妊薬と血栓症との因果関係の有無に関する論争は,15年の歳月に及んでいるが,今日なお不明な点が多く,疫学的調査や凝血学的研究がなされている。
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