先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
重症合併症妊娠
妊娠中毒症とDIC
中林 正雄
1,2
,
武田 佳彦
1,2
,
坂元 正一
1,2
Masao Nakabayashi
1,2
1東京女子医科大学母子総合医療センター
2東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.295-297
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207368
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妊娠中毒症の病態に凝固線溶系が密接に関与しており,重症妊娠中毒症ではしばしば慢性DICの状態にあることが知られている。一方,母体死亡の原因として産科出血と妊娠中毒症が第1位,第2位を占めているが,これらの中にはDICが関与していることが多く,母体死亡を論ずる場合,DICは極めて重要な意味をもっている。
産科DICの頻度は全分娩数の0.1%前後であるが,その中の50〜60%が常位胎盤早期剥離(以下甲剥と略)を基礎疾患としており,早剥は妊娠中毒症と強いかかわりがある。そこで本稿では妊娠中毒症と早剥とDICの関係について概説してみたい。
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