生涯研修セミナー 妊娠中毒症
病態
中林 正雄
1,2
,
坂元 正一
1,2
,
東舘 紀子
1,2
,
武田 佳彦
1,2
Masao Nakabayashi
1,2
1東京女子医大母子総合医療センター
2東京女子医大産婦人科学教室
pp.744-748
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207843
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妊娠中毒症は,古くから今日まで数多くの研究が集積されているにもかかわらず,その本態は今なお不明であり,依然として"学説の疾患"と呼ばれている。その病態論に統一的な見解は得られていない。しかし最近の科学の進歩によりさまざまな面からの検討がおこなわれ,妊娠中毒症は単一疾患ではなく,病態の異なる複数の疾患の複合した状態,または疾患群としてとらえられてきている。
概念的には,妊娠中毒症を「妊娠に伴う母体の適応機構の破綻を表現する症候群」いわば妊娠に対する適応不全としてとらえることが適当であろう。
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