原著
内膜細胞診における砂粒小体について
吉田 恵
1
,
楠山 洋司
1
,
細道 太郎
2
Megumi Yoshida
1
,
Yoji Kusuyama
1
,
Taro Hosomichi
2
1和歌山労災病院,中検
2和歌山労災病院産婦人科
pp.185-188
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207953
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
内膜細胞診で検出された29例の砂粒小体につき下記の結果を得た。
1)29例中悪性疾患に由来するのは3例(10%)であった。
2)砂粒小体を形態で,円またはだ円と不整形に分け,夫々につき層状構造の有無で4型に分類すると,円またはだ円で層状構造を有する砂粒小体が,悪性疾患に由来する頻度が他の型に比べて高かった。
3)良性群26例中IUD使用者が9例,妊娠に関係する者2例で,これが原因と考えられた。残り15例は,11例に子宮単摘施行(筋腫または腺筋症のため)するも組織学的に1例のみにしか砂粒小体が証明されなかった。
内膜細胞診で砂粒小体を検出した場合,形態をチェックし,円またはだ円形で層状構造を有する"典型的砂粒小体"とこれ以外の"非典型的砂粒小体"に分け報告すべきと考えられる。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.